
DXの評価を「何人減らせたか」だけにすると、入力負担の増加、品質情報の見落とし、改善活動の停滞を捉えられません。中小製造業では、削減時間を利益へ直結させるのが難しい場合もあります。そこで、品質、納期、判断速度、定着を同時に確認します。

最初に「何を良くしたいか」を一文で決めます。たとえば「日報の作成時間を減らす」ではなく、「前日の異常を翌朝会議までに把握し、再発防止へつなげる」とします。前者は作業効率、後者は判断と品質まで含む目的です。
目的に対して、結果指標と先行指標を組み合わせます。結果指標は最終的な成果、先行指標は成果へ向かう途中の行動や状態です。
| 観点 | 結果指標の例 | 先行指標の例 |
|---|---|---|
| 生産性 | 1件あたり処理時間、間接工数 | 自動処理率、二重入力件数 |
| 品質 | 不良率、手戻り件数 | 異常記録率、未入力項目数 |
| 納期 | 納期遵守率、回答リードタイム | 停滞案件数、承認待ち時間 |
| 判断 | 問題発生から把握までの時間 | データ更新時刻、閲覧率 |
| 定着 | 継続利用率、廃止できた旧帳票数 | 入力完了率、問い合わせ件数 |
一つの施策にKPIを詰め込みすぎないよう、主要KPIを1つ、補助KPIを2つ程度に絞ります。
作業日報のデジタル化を例にします。
月間削減時間は (8分 - 5分) × 400件 ÷ 60 = 20時間 です。ただし、これだけで成功とは判断しません。入力完了率と異常把握時間も同時に確認し、品質情報が欠けていないかを見ます。
導入前後で対象者、対象工程、繁閑、集計期間が違うと比較できません。少なくとも次を台帳に残します。
KPIは監視のためではなく、改善すべき場所を共通言語にするためのものです。製造業DX支援では現状計測から小規模検証まで設計します。自社指標を整理したい場合はお問い合わせください。
